Amazonの書評をめぐってバトル発生

発端は吉田望氏の本、「会社は誰のものか」に対するnomadica氏のレビュー。
今後議論の方向によって消されるかもしれないので引用。(15日22時現在のもの。既に当初のものから前半部分が微妙に変更されている)

タイトルと内容が違う, 2005/07/07
レビュアー: nomadica (プロフィールを見る)
本書を一ヶ月で書いたという序文の文章からもわかるとおり、ライブドア関連の熱が冷めないうちに、とタイミングを計ってタイトル先行で一気に出版された新書です。
だから新書という点を差し引いても、お世辞にも内容の濃い本とは言えません。
元々、広告代理店でネットビジネスの研究をされていた方だけに、「ネットビジネス」と「ブランド」についての言及が多いと感じました。
あらゆる企業論は「会社は誰のものか」という命題に直結している、と強引に言うことも可能でしょうが、本書は「会社は誰のものか」という問題設定に対して、的確に、論理的にアプローチしている本ではありません。
話の脱線や本書の主旨とは関係の薄い著者の個人的経験などが多く、著者の考える会社論や、著者が知っているエピソード(特にネット企業の話が多い)をまとめたエッセイ集と思ってよいでしょう。そのような形態なので、論旨や論証が明確ではなく、骨太な企業論を読みたい人にはお勧めできません。
ただ、文章は読みやすく、会社のあり方を考えるための色々な事例を盛り込んであり、一気に読むことは可能です。

まぁ、なかなか手厳しい意見である。(ちなみに私は読んでいないので、中身は知らない)
このレビューに対し、吉田望氏が猛反発。Lynceus: コミュニケーション能力とはのコメント欄にて訂正を求め始める。それに対しnomadica氏も反論。現在に至っている。
当初は割と冷静な議論だったのにも関わらずLynceus: 吉田様への回答②のコメント欄にいたって、徐々に吉田望氏が暴走をはじめるのが良い。大変良いスメルである。それに対しnomadica氏はオトナ対応。おお。やるなぁ。


注目すべきポイントはAmazonの素人レビュワーに対してプロが応酬しているという点だろう。こんなパターンは見たことがなかった。

ネットの素人批評家とプロはこれまで、ある種の緩衝地帯を認め合ってきたように思う。
ネットの素人批評家は自分をいち消費者と位置づけることで、買ってやったんだから文句をいくら言っても良いだろと考え、思う存分に批判してきた。
一方、プロは、ネット上の素人批評家などハナクソ以下の存在とした。そのため歯軋りしつつも、そのようなクソ批評にイチイチ反論はしないようにしてきたわけだ。
ところが、吉田望氏は反論した。「全世界に批評を公開しているんだから、お前は批評家と同じだ!反論させてもらうぜ、ゴラァ!」というわけだ。

プロに再反論されるということは「ハナクソ以下の存在」からの脱却なわけで、ある意味喜ばしいことなわけだが、いい加減で責任のないグダグダの批評を自由に書けないのかと思うと、何だが残念で息苦しい思いがする。
そういうのは便所(2ちゃんねる)でやれってことなのか。