利益優先

ガイアの夜明け」でJR西日本列車事故を特集していた。今更だが、気づいたことがあった。報道における「利益優先に対する敵視」だ。
これって明らかにおかしい。誰かにダメージを与えることで、不当にお金を儲けていたのならともかく、ダイヤの過密や回復運転は明らかに利用者の利便に配慮したものだ。事故さえおきなければ、これらのことはむしろ誉められるべきことだ。
問題は、それら利便性の追求が事故リスクを増やしたことに気がつかなかったこと、またはその安全性と利便性のバランスを誤っていたことだろう。
さらにいえば、今回の事故でJR西日本は大損害(100億超で損害保険じゃまかなえないんだそうな)が出た。つまり利益の追求をしたいのであれば、利便性と同時に安全の確保が必要だということだ。つまり、利益優先と安全確保は矛盾するものではないのだ。
それなのにも関わらず、多くのテレビ番組で「利益追求はけしからん」という論調になる。ありゃなんなんだ。「金儲けはけしからん、というかジェラシー。だって俺金が無いから。俺にも金よこせ。金持ちは敵だ!」的、低俗な感覚から来てるんじゃないのか。
被害者は、そりゃ誰かを加害者認定しないときがすまないだろうし、認定すればその相手を徹底的に悪にしたくなるだろう。それはわかる。私利私欲で家族を殺した極悪企業、JR西日本、という構図にしたくなるのだろう。しかし、マスコミまでそれに引きずられてどうするんだ。もっと冷静に語らんかい。
ちなみに「ガイアの夜明け」はビジネスマン向けの番組ということもあり、遺族感情にべったりなものではなく、JR西日本が抱える問題点を追求しつつ、企業がリスクに対しどの程度備えることが真の利益追求になるかを考えさせる内容であった。いい番組だ。