電波男

就職活動中に電波男を読んだ。

売れてるんだな、これ。都心のでかい書店を10店近く回って見つからなかったくらい。たまたま就職活動の途中でよった小さな本屋に在庫があり、購入できた。

悔しい。いつかこの手の文章を書こうと思っていたので。くそぉ。

電波男の主張をまず。まとめておく。


この本のキーワードは「純愛」(=「萌え」)だ。
神が死んでしまった現代において、自我を維持する為には「純愛」が必要だ。本田氏はこの「純愛」を求め、三次元をさまようが、うまくいかなかった。なぜなら、現代社会は恋愛資本主義に毒されていたからだ。(特に負け犬女が)
ここでいう恋愛資本主義とは恋愛を商品化し、大量消費行動を喚起するシステムのことである。
この恋愛資本主義社会は、「金」と「安易なセックス」にあふれており「純愛」はない。
しかし、本田氏は気づいた。二次元の世界には「萌え」すなわち「純愛」があることを!そうオタクとは恋愛資本主義という欺瞞にいち早く気づき、そこから脱出した人々なのだ!
そして、それゆえに恋愛資本主義に毒されている現実の女はオタクを蔑むのだ。俺たちは悪いことなんてしてないのに。レイプとかやっちゃうDQNのほうがよっぽど悪い。それなのに、女はそういう連中にばかり尾っぽを振る。なんなんだあいつらは!
しかしもはや「恋愛は死んだ!」そう!我々の勝利がやってきたのだ!!ばんじゃーい。
以上、要約。

私もかなりの「非モテオタク」ぶりを発揮している人なので、本田氏の思いを共有できた点が多数あった。[考察]DQNへの嫌悪感はどこから来るか?とか、書いている私ですから。http://d.hatena.ne.jp/maroyakasa/20041213
オタクというのはセクシャリティの問題なんだなぁと、改めて実感しました。

この本は現代社会を「非モテオタク」という視点から見るとどう映るか、どういうルサンチマンを持つか、ということを書いてみた本である。ゲラゲラ、ニヤニヤ、トホホ、orz、あるあるwww、それはヤバ過ぎww等と楽しむのが正しい読書姿勢であろう。よって、真面目に捉えてもあんまり意味はない。

しかし、イマイチ引っかかったのが、「オニババ化する女たち」への同意っぷりだ。このスタンスなら、働く女性には寛容であるべきだと思うのだが。

彼が言う「純愛」とはなんなのかを読み解くと、どうも金と顔で判断しないような恋愛のことなようなのだが…。
まず、顔について考えてみると、リアル恋愛では顔が大きな割合を占めるのは仕方がないだろう。エロゲーを選ぶときでさえ、キャラクターの可愛さは重要なんだから。
で、問題は金だ。リアル恋愛で金が重視される原因を考えると、男女間の賃金格差に行き当たる。よって、女性の社会進出には寛容であるべきなはずなのだが…。そのあたり、どう考えているんだろう。

追記:お隣日記などを読んでいたら、色々書きたくなってきたので、後日、書きます。