「闘争領域の拡大」を読む。

ミシェル・ウエルベックの「闘争領域の拡大」を読んだ。
「第3回 『闘争領域の拡大』に見るフレンチ非モテの苦悩の巻」 日刊!ニュースな本棚でこの本を知り、以前からこりゃ読まねばと思っていたのだ。

本文からあまりに素晴らしいセリフをひとつ。

「ずっと前から駄目なんだ。最初から駄目なんだよ。ラファエル、君は絶対に、若い娘が抱くエロチックな夢をかなえられない。仕方がないものと諦めなくてはいけない。自分はこういった物事に縁がないことを受け入れることだ。いずれにせよ、手遅れなんだ。いいかい、ラファエル、セックス面における敗北を君は若い頃から味わってきた。十三歳から君につきまとってきた欲求不満は、この先も消えない傷跡になるだろう。たとえ君がこの先、何人かの女性と関係を持てたとしても――はっきりいってそんなことはないと思うけど――それで満たされることはないだろう。もはや、なにがあっても満たされることはない。君はいつまでも青春時代の恋愛を知らない、いってみれば孤児だ」

痛い!痛い!痛いっ!ママン心が痛いよぉ〜。
そうなのよ。「青春時代の恋愛を知らない」ってのは本当にキツイ。いいですか。若者というのは恋愛するのがデフォルトとされているんですよ!若かりしころには、甘酸っぱい恋愛の思い出が、セックルの思い出があるのが「普通」なんですよっ!ところが、こちとらインターネットでエロ動画をダウンロードした記憶くらいしかないときてらぁ!これ、どーなのよ。どーするよ。