へうげもの・ホリエモン

山田芳裕の「へうげもの」が面白い。

へうげもの(1) (モーニング KC)

へうげもの(1) (モーニング KC)

部隊は戦国時代。主人公は信長の家臣である、古田左介(古田織部)。
戦国時代もの、って普通は武将同士の野望と戦いがメインなわけだけど、この作品はちょっと違う。それはこの古田左介が「数奇者」だから。
「数奇者」ってのは、風流なことを好む人。つまり、カッコイイ焼き物とか、茶入れとか、茶釜なんかが大好きな人。今で言うとオタクだろう。
で、この強烈なオタク、古田左介が出世したいなぁと思いつつも、ついついカッコイイ茶碗に目がくらんで、せっかくの出世のチャンスを不意にしてみたり、「茶入れ」話に没頭したり、千宗易千利休)に弟子入りしたりするって話。
もちろん左介が、そんなことやっている間にも、上司である信長の暗殺計画が密かに進行中。一体、このオタクがどう本能寺に絡むやら、楽しみだ。

このマンガの魅力は、なんといっても人間の「欲」をカッコよく描いている点だ。出てくる連中は、みんな欲の皮が突っ張ってる。天下統一した暁には、明にまで手を伸ばそうと考える信長。一見、気のいい「サル」を演じつつも虎視眈々と天下を狙う秀吉。日本を自分好みの「侘び」の国にしようと考える宗易。
皆、自分の持つ「欲」を真正面から捉え、それを隠そうともしない。そのまっすぐさがカッコいい。

というわけで、なんとなくホリエモンを思い出したわけ。彼の欲望に同調できるかは人それぞれだろうけど、臆面も無く欲望を丸出しにする姿勢は確かにカッコよかったとも思う。
これですべてを失ったとしても、また金を稼ぎまくって欲しいねぇ。