小飼さんの言ってることが良くわかんない。

404 Blog Not Found:取材拒否の理由
はてなブックマークをみると大変支持を集めているようなんだけど、小飼さんの言っていることがサッパリわからんのだ。誰か教えて。

小飼さんが取材費を請求することは正当な権利だ。時間を拘束されるのだから、要求して当たり前。で、NHKがその要請を拒否し、取材をやめたわけだから、それで終わりじゃないか。この話、しゅ〜りょ〜。
なんで、この話が「メディア論」に至り、「マスコミ批判」になってしまうのかが分からない。単なる交渉決裂しましたーって話でしかないと思うのだが。

取材を通して取材対象も影響を被らずには済まない。

と小飼さんは言う。うむ。これはそのとおりだろう。完璧に「公平」な取材など存在しない。問題はここから、小飼さんが以下のように論理を展開する点だ。

前述の通り、100%客観的な報道がありえない以上、取材対象が円滑に取材を受けられるようある程度便宜を計ることはむしろ報道の内容の充実にとってプラスになるはずだ。

何故、「100%客観的な報道がありえない」と「取材対象が円滑に取材を受けられるようある程度便宜を計ることはむしろ報道の内容の充実にとってプラスになる」のか。このつながりが全く見えない。その後に小飼さんはこう続ける。たぶん、これがつながりの説明なのだろうけど……。

実際私の過去受けた取材の過半で取材協力費に相当する費用が支払われているし、しかしそれにより私が取材者に媚びを売ったということはないのである。率直に申し上げて、取材協力費程度で媚びを売る気になるほど私は「安くない」。

んなこと誰もシラネーよ。
ここ突っこまないで、どこ突っ込むんだ?はてなブックマークで支持している人たち。ここ、がら空きじゃん。ここは突っこまなきゃ。いっせいに。

別に、私は「小飼さんは金に振り回される男だ」なんて主張をしたいわけじゃない。小飼さんは、もしかしたら、取材費の高低に依存せずに取材に答える素晴らしい人かもしれない。
しかしそんなこと、NHKの記者に分かるはずがない。世界中の誰にも分かるはずがない。いや、小飼さん自身だって分かってない可能性だってあるんじゃないの?

NHKの記者だって、完璧に「公平」な取材が存在しないことは分かっているだろう。じゃ、テキトーに取材していいかって言うとそれは違う。誤差を最小限にとどめる、量子力学で言うならプランク定数にできる限り近づけるのが、記者の使命なわけでしょ。それが「取材の公正さ」だ。

じゃ、「取材の公正さ」をどう担保するか。どう担保するのが、正しい方法か。これはすごく難しい問題だ。公正な「公正さ」とは何か、を聞いているに等しい。正しい答えなんて、ない。
だから、結局のところ、記者は記者の信じる「公正さ」を目指して取材するしかない。もちろん、他人に「公正でない」と指摘されれば、それには耳を傾けるべきだろう。しかし最終的な判断は記者にゆだねられる。「公正でない」とおもったなら、取材される人は取材を断ればいいだけだ。小飼さんがそうしたように。

NHKスペシャル」は取材の方針として「取材費を払わない」という道を選択した。それはこんなに批判されるような、突飛で滅茶苦茶な取材方針だろうか。
「取材協力費程度で媚びを売る」安い人間は腐るほどいる。また、自分はもっと「高い」と思っていても、いざお金を貰ったら、自分では気がつかないうちに変わってしまう人もいる。だから、NHKは「取材費を払わない」ことにした。
小飼さんは、その姿勢が気に入らなかった。よって、取材を拒否。これで終わりじゃないか。
どうして

私は、NHKの記者殿の「疑わない姿勢」に恐怖する。それがこの記者固有のものなのか、NHKという組織に由来するものなのかを私は知らないが、これだけ怖い思いをしたのは始めてである。

などとなるのか。NHKの記者は立派に疑ったじゃないか。「この小飼という人は、お金を与えたら変わるんじゃないか」って。NHKの記者は立派に「自分の公正さ」を貫いた。小飼さんは気に入らなかったから取材を拒否した。それでこの話は終わりなのだ。

追記:ぐっはー。小飼さん申し訳ない!子飼じゃなく小飼ですね。訂正しました。どうもすいません。