世界の中心で愛を叫ぶを観た

まぁちょっと前の話だけど、どいつもこいつもセカチューセカチュー言ってる時期がありました。私のように捻くれてる、どーしょもない人間は、映画を見ることなしに馬鹿にしておりました。「美少女が白血病で死ぬ?ベッタベタの映画だな」と。
で、本日、テレビで「世界の中心で愛を叫ぶ」がやっていたので、試しに見てみました。これって童貞の妄想映画だったのか!!とちょっとびっくり。
スポーツ万能、頭脳明晰、性格最高、しかも美少女。それこそ、ほんとにウンコしないんじゃなかろうかというヒロイン。そんな女の子と恋に落ちて、高校生活を満喫して、彼女が死にそうになって、彼女と自分が唯一無二の関係になる…。まさに童貞の妄想、完全映画化という感じ。ストーリーがベタなのは、妄想だからだ。妄想は常にベタ。

童貞の妄想っぽいということは、「セカイ系」っぽいことでもある。「キミと僕」が強調されまくって、他の現実性がうすーくなっている物語はまさに「セカイ系」。

まぁ、さすがにそのまんま童貞の妄想で終わりにするわけにもいかなかったらしく、大人からの視点もきちんと入れてある。
白血病が発覚し、副作用で坊主頭になったヒロイン。そんな彼女の元に主人公が「結婚しよう」と結婚届を持ってやってくる。そこで、二人でオーストラリアへ行こうとする…ってな後半のシーンは、童貞の妄想というよりは、むしろ大人の視点だ。
若者の無計画さの表現は、童貞が妄想するものではない。それは冷静な大人が、若さから起こる悲劇を描いているのだ。「助けてください」は本当は泣きのポイントなのに、どうも大人の視点で見てしまって泣けないのはその辺りに関係があるかもしれない。

ちなみに「非モテ」っぽい視点で言うと、この手の映画ってのは、いかにもモテ側の物で、ついつい反抗したくなるけれど、売り込み方が気に入らないだけ。
シナリオそのまんまでエロゲー化すれば、号泣続出だったんじゃなかろうか。
「泣きながら一気にオナニーしました」って感じで。