極私的なmixi論

mixiの有効な使い方――適切なプライバシー・コントロールという記事が評判になっているようだ。わたしもmixi論でも書こうかと思ったが、どうせ誰かがやっているに決まっている。そういうわけで、今回は私的な話。

mixiに招待されたのは結構前だ。とりあえず日記をつけて、いくつかのコミュニティに参加してみた。レビューもがんばって書いた。
数日後、mixiのつまらなさに唖然とする私がいた。

コミュニティはまったく盛り上がっていない。2ちゃんねるのほうがよっぽど情報が早いし、雑談も面白い。自ら盛り上げてみたものの、そのとき多少盛り上がったあとは、誰も次のネタを振らない。お前ら、盛り上げる気ないだろ。
さらに、友人の日記は恐ろしくつまらない。なんだ、その5流テキストサイトみたいな書き方は。いまどき流行んねーんだよ。だいたい、お前の日常の些事なんて聞きたかないんだ。
まともなレビューはほとんどない。「これオモローイ!」ってなんだ。レビューになってねぇんだよ。どこが面白いかを勧めろよ。
まぁ、そういったわけで、すぐに私はmixiをほとんど見なくなった。

状況が変わったのは最近だ。
久しぶりにmixiを覗いたときに、昔に好きだった女性からメッセージが届いていたのだ。全身の毛穴が開いて、汗が吹き出た。胸の高鳴りもあったが、それよりも恐怖があった。なぜなら、マイミクの私の紹介欄には、彼女に関する情報が含まれていたのだ(しかも実名入り)。さらに、私はとある恋愛小説のレビューで彼女の話を書いていた。
あわてて、紹介文を変更させ、レビューを書き換えた。(後日判明したのだが、紹介欄に彼女は気づいていたらしい)
恐ろしい。恐ろしすぎるぞ。mixi。まさか彼女が来るなんて。しかし、彼女の近況が知れたのはうれしいことでもあった。すぐにマイミクになった。はじめてイーマーキュリーに感謝した。
その後、彼女と会ったりして(残念ですが2人っきりではない)、今は正直言って、彼女が気にかかっている状態だ。

さて、こういう状態だとmixiは俄然楽しくなる。
なにしろ気に入っている女の子の近況が聞けてしまうのだから。彼女の日記に感想を書き込んでみたりする。返事がある。あぁ楽しい。
こっちも日記を書いてみたりする。もちろん「そもそも非モテの定義は…」などといったことは書かない。当たり障りのない内容を。彼女から感想が貰えるとうれしい。
煩わしいのは「あしあと」だ。自分が彼女のページに、日に何度も行き過ぎないように注意しなければならない。彼女が訪れているのを確認できるという利点もあるけど。
あー、あらためて書くと、実に恥ずかしいというか、馬鹿馬鹿しいというか。

結局、私にとってmixiと普通のブログの違いは

  1. 匿名でないがゆえに、自由に書き散らかすことが出来ない。
  2. 友人向けなので、そこまで気合を入れて書く必要がない。

の2点だ。
もっと簡単に言えば、ブログでは誰も素顔を知らないmaroyakasaでいられる。mixiではわたしは現実の自分にならざるを得ない、ということだ。

はじめに取り上げたエントリーでは、その部分が完全にズレていると思う。
多分、それはこのエントリーを書いた松永英明氏が、匿名の誰かとしてのHPを持っていないからだろう。松永英明氏はブログでも、mixiでも「松永英明」だ。だから、仮面を被れないmixiの息苦しさがピンと来ないんだろうと思う。