テンプレのいいとこ、わるいとこ

本を読むのは好きだったけど、読書感想文の宿題は嫌いだった。作文を書くのも嫌いだった。しかし、いつの間にか文章を書くことは趣味になり、今ではこうして自主的にブログまで書いている。この楽しさを、どうして小学校や中学校は教えてくれなかったんだろう…。

断片部 - これにて終了 - 書評のテンプレート
書評の標準的テンプレートについて書いたのが上のエントリーである。

書評に限らず、大抵の文章にはテンプレートがある。たとえば、このエントリのような「何か意見の主張」にもテンプレがある。実際、このエントリは自分の体験談からスタートしているわけだが、これ、ひとつのテンプレです。
この手のテンプレをどこで身につけたんだか分からないが、一度身に着けてしまうと途端に文章は書きやすくなるものだ。その上、ある程度の体裁が整うので書いていても楽しい。逆にテンプレがイマイチ良くわかっていない状態で、文章を書こうとしてもなかなかうまく行かないものだ。文章の書き方を学ぶということはテンプレを学ぶことなのだ。
ところが、小学校や中学校ではこの手のテンプレートを教えてくれない。まぁ、せいぜい教科書で色々と文章を読む程度だ。その背景には、「子供が思ったままを文章にすれば、稚気にとんだ素晴らしい作文になる」という妄想があるんだろう。そんなわけねーって。
読書感想文なんて穴埋め式にしてしまえばいいのだ。一番良かったシーンとか、そのシーンで思い出す現実にあった出来事、とか。そんなのを埋めていくと、うまいこと文章になるテンプレートを用意してやればよいのだ。それは、創造性を殺すことではない。そういった型を知るなしに「型破り」なものは作れないのだから。

…と、テンプレートどおりに主張を書いてみたが、実にツマラン文章となった。

そう。実はテンプレートどおりの文章ってつまんないんすよ。反応も大抵悪い。イマイチ心に響かないんですよね。とくにブログだと。これ、何でなんだろね。いや、まぁ本当に「凄い意見」ならテンプレートどおりでもいいんだろうけど、「割と良くある意見」の場合、テンプレどおりだと本当に読む気がうせる。
アドリブっぽいというか、勢いがあるというか、筆すべりまくり、みたいな文章のほうが共感しやすいんだろうね。たぶん。