新入社員による会社のエラーイ人への講話

この4月にサラリーマンとしての生活をはじめました。相変わらず職場では全くモテていないものの、一応何とか遅刻もせずに働いております。


4月というわけで、お偉い人が何を思ったか新入社員を集めて、ありがた〜い御講話をお垂れなさったりされますわ。まぁ、この御講話が素晴らしくってですね、テープに録音して不眠症の方に配りたいくらいなんですわ。一体どういう脳みそをしていると、この程度のことをこれだけ大勢の人間集めて、こんなに長時間話せるな、やっぱり出世するには厚顔無恥であるべきなのかなと、考えさせられる次第であります。
まぁ、今回は、この手のエラーイ人に向けてですね、どうすれば、新入社員が睡魔との猛烈なバトルをせずにすむ講話になるかを話しておこうと思います。
そこの偉い人。良く聞いておくように。寝たら承知しねぇ。


1.講話と会話は違うことを自覚しろ
一対一で話しているときに、どんなにツマラン話をしたところで、相手を眠らすことはなかなか困難。これは何でかというと、会話はキャッチボールだから。こっちが投げて、相手が取って、また投げ返して。そういうわけで相手も寝てられないわけ。また、キャッチボールってことは、誰に投げているかがはっきりしているわけだ。さすがに「自分に話しているんだ」と思っていれば寝にくい。
ところが、講話というのはキャッチボールじゃない。一対多。いわば単にボールを見せびらかしているだけな訳。そりゃ、普通のボールを何時間も見せたら寝るわな。
そういうわけで、講話をするなら、まず聞いている連中が関心を持つようなボールを持ってこなきゃいかん。どうやって関心を持たせるかはこれ以降に書く。
そして、会話と同様に相手からもアクションをさせることが必要。典型的なのは、「このなかで○○な人手を上げてー」とか「そこの君、これなんでだと思う?」といった質問。これがあるだけで、グッと寝る奴は減る。

2.抽象的な話は止めろ
ノーベル賞物の画期的大発見を語るならともかく、どうせお前らレベルは、たいしたことを語れないわけ。せいぜい「人間関係を大切に」とか「社会人として責任感を持とう」とかだろ?そんなもん、誰でもできるわ、クソたわけ。
こういう話を皆様が始めますと、私の脳内には羊さんたちが、めーめーと溢れかえり、さながら朝の新宿駅の様相を呈する訳ですよ。だって、知ってる話だもん。今更いらねぇ話だもん。
そもそも、あんたもその歳になって、何で、こんなあったり前の話をしなきゃと思うわけ?それは、きっと、その教訓に関連した、それなりに苦い経験があるからでしょ。じゃ、何でそれを話さないんだよ。
あんたらお偉方が新入社員に勝っているものって「年季が入っている」ってことでしょ。経験ですよ、経験。これに関しては、間違いなくあんたたちの勝ち。例えあなたが、エクセルちんぷんかんぷんでも、社会経験はあんたの勝ち。それじゃ、その経験を話してよ。俺聞いたことないから。
就職活動の自己PRってのは、単に抽象的発言を並べてもダメなわけ。実際に、どんな苦労をして、どう考え、どう対処したか、ってことを具体的に語って初めて自己PR。それと同じ。
あんたが、若いころに経験した苦労話をしろや。聞いている連中が「うわ、それ、俺の身にも起こるかも」って思わせろ。「それ、困るなー」って悩まさせろ。そういう話を踏まえてなら、結論が多少、しょぼいもんでもOK。ちゃんと聞いていられる。
もちろん、「人間関係なんて、どーでもいいんだよ!」とか「責任をどう逃れるかが出世できるかの分かれ道!」といったような変わった結論なら、抽象論でも、そこそこ聞いていられるけどね。

3.偉い人の格言なんかいらねぇ
すーぐ、偉い人の格言を出す奴がいるんだよね。哲学者とか、伝説的経営者とか、戦国武将とかの。
あのね。格言ってのは、その人の人生や行動とセットになって始めて意味を成すわけ。「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し」なんてのは徳川家康が言うから意味があるわけで、3歳児が言っても説得力がないでしょう。せめて、そいつの人生の説明を加えて使ってくれ。でも、できることなら自分の人生を語ってくれよ。他人の話じゃなく。
大体、過去の偉い人の格言を援用するのは、「こんな有名な人も、僕チンと同じ事言ってんだよー」って言いたいわけでしょ?んなもん、長々と語ることか。アクセント程度でいいんだよ、格言なんぞ。

4.長く話すな
一時間くらい話す奴がいるんだけど、お前ら何でそんなにヒマなの?偉い奴が暇な会社ってどうなのよ。まとめてから来い。せいぜい、20分だろ。


まぁ、こんな感じかね。分かったか、会社の偉い連中よ。今後は、上司としての自覚を持って講話をたれるように。以上!